世界の音楽業界の仕組みを理解する
音楽で生計を立てるのはとてつもなく労力のかかる作業です。
あなたがこの業界の新参者であるなら、この業界の仕組みを理解することが不可欠です。
まずはアーティストがどのように収入を得るのか、そのいくつかの方法について見ていくことにしましょう。
○出版
これはアーティストの収入の要です。出版というのは作曲家の音楽を商業的に活用し、その対価をアーティストが得るというもの。これは作曲者自身か代理人、出版社によって行います。
○著作権
ご存知の通り、あなたが作った音楽には著作権が発生します。
国によって異なりますが、著者が死亡してから70年後まで著作権は残ります。
この著作所有権はレーベルが管理していることが多いですが、最近では個人で出版することも可能なので個人で管理している場合もあります。
音楽の作成者は、レコードを作成するなど曲のコピーを作成できる人を決定する独占的な権利を持っています。この権利は金銭と引き換えに他人に付与することができます。
レコードレーベルや別のアーティストが曲を使いたい場合には、その作曲者からライセンスを取得する必要があります。
○出版社
あなたの音楽を使用して収益を生み出す方法はたくさんありますが、これを行うために出版社を探すことをお勧めします。彼らはあなたの作品を正しい団体に登録し、ロイヤリティ収入を管理し、お金儲けの機会を創出します。
もちろん個人でも出版が可能ですが、なかなか時間のかかる作業になります。
出版社は交渉の内容によっては、通常著者のロイヤリティを30-50%削減しますが、これはアーティストの影響度によって異なります。
一部の国ではこれは固定されていて、オランダは出版社が33.33%を占めます。
一般的な取引では3-5年の期間があります。あなたの作品を永遠に管理したり、所有権を完全に譲渡したりしないように注意してください。あなたの知的財産は、音楽家として最も重要な資産です。
○演奏家
レーベルはリリースするとき、トラックのサウンドレコーディングの所有権を持ちたいと考えています。これは普通、アーティストとプロデューサーのものです。アーティストたちはロイヤリティと引き換えにレーベルにこの権利を割り当てます。
レーベルはアーティストやプロデューサーに直接ロイヤリティを払いますが、プロデューサーロイヤリティはアーティストのものから支払われることがあります。
これは録音費用の一部であり、レーベルがまかなうものではありません。
最近のレーベルの取引では、少なくとも6ヶ月に一回か二回収入報告書を発行するようレーベルに義務付けています。その場合請求書を提出して支払いを受けることができます。
○録音権(Mechanicals)
誰かの曲を使用して楽曲を作り直したり、配布したい場合は必ず著作権者の許可を得る必要があります。楽曲ライセンスは作者に直接要求するか、MRSを介して発行することができます。MRSの例は、米国のHarry Fox Agencyです。アメリカや他の多くの国では、ソングライターは録音して一般に公開するとすぐに、作品のライセンスを提供することを余儀なくされます。
このライセンスは法律で法的レートが決められていて、現在のレートでは5分未満の曲は$0.091です。
あなたの曲がBeatportでダウンロードされたり、ストリーミングされるとロイヤリティが払われます。
MRSは年4回、通常四半期の終わり毎に支払うのが一般的です。
○レンタル
多くの国では貸し出し用CDなどのためにアーティストや権利者にロイヤリティを支払います。
アメリカのAARCを例にとると、アーティストに40%、録音権の所持者に60%が配当されます。これは各国によってことなります。
これらの例の多くは海外のもので日本とは少し異なる部分もあります。しかし、これから世界にでるDJ諸君は海外の音楽ビジネス事情とも向き合っていかなければなりません。
海外での契約の際は、知らないものは搾取されます。
世界は日本ほど甘くはないのです。